Web業界初心者でも理解できる【WebマーケティングとWebデザインの違い】

Web業界未経験者の転職希望者とのキャリア面談冒頭、「将来、WebマーケティングとWebデザインの仕事をしたく、迷っています」と投げられました。
私は転職希望者へ質問してみました。
「WebマーケティングとWebデザインの違いを、どれくらい知っていますか?」
転職希望者
「なんとなく同じことかな、と思っています。なので教えてください」
この記事ではまず、WebマーケティングとWebデザインの違いからお話します。
そして、みなさんがどちらが果たして自分が選択したい職種なのか、判断できる「目」を養っていただければ幸いです。
WebマーケティングとWebデザインの違い
Webマーケティング(Webマーケター)とWebデザイン(Webデザイナー)は異なる職種です。
まずここを押さえておいてください。
では何がどう違うのかを2つの視点から説明します。
1.「表と裏」

Webデザインと「表」とするなら、Webマーケティングは「裏」です。
Webデザイン:表
即ち見える部分です。
デザインはエンドユーザの視覚に訴えます。
視覚に訴え、見る人に理解してもらい、判断を仰ぐもの。
そして時に感情にも訴えます。
表で勝負するのがWebデザイン(Webデザイナー)です。
Webマーケティング:裏
即ち見えない数字の部分です。
「Webマーケティングとは」をここで書き出すと長くなりますので、簡潔に書くならば、ターゲットを決めて、そのターゲットに訴求したコンテンツの結果を分析して、さらに改善を重ね、成果を上げていく活動のことです。
その活動のほとんどがエンドユーザにとって目に見えるものではなく、裏側の数値を相手にするものです。
目に見えない数字で勝負するのがWebマーケティング(Webマーケター)です。
2.「点と線」

Webデザインと「点」とするなら、Webマーケティングは「線」です。
「点」であるスタートを切るのはWebデザインです。
Webデザインを見たエンドユーザは行動(スタート)します。
その後、このエンドユーザがどのような感情を持ち、そして行動しくのかというプロセスを経て、最後にどうしたかというゴールまでを追いかけていく、という「線」の部分がWebマーケティングです。
1つの「点」に対して、プロセスとゴールという「線」は複数にもなります。
その複数の「線」から成功の「線」や、傾向を見つけていくのもWebマーケティングの役割です。
そして、さらに良くするために、2つ目の「点」である「新しいWebデザイン」で再スタートを切っていきます。
「点」が無ければ「線」は描けません。
Webデザイナーの業務や必要なスキル

Webデザイナーとはどのような業務で、何が必要なスキルなのでしょうか。
Webデザインを仕事とするWebデザイナー。
その業務は文字通りデザイン業務です。
クライアントが表現したいビジュアルやメッセージをくみ取り、それを見える化することがミッションです。
そのアウトプットの代表例は、バナー広告、Webチラシ、ランディングページ、WebサイトなどWeb媒体に掲載するすべてのコンテンツです。
その必要なスキルにおいて、デザインスキルや、Photoshop・Illustratorなどのクリエイティブソフトが使えることはもちろんですが、もっとも必要なスキルがあります。
それは、ヒアリング力。
クライアントが、誰に対してどんなことを訴求したいのか、どんな世界観をもったクリエイティブにしたいのか、クライアントの頭の中にある「想い」を引き出せなければ、Webデザイナーは期待するアウトプットができません。
「誰もが買いたくなる、みずみずしいリンゴのチラシをデザインしてほしい」
Webデザインをやりたいあなたはこの1行でどんなチラシがイメージできましたか?
でも、それは果たしてクライアントが思い描いているイメージと同じでしょうか?
ここを同じイメージにする力、つまりヒアリング力が求められるスキルなのです。
Webマーケターの業務や必要なスキル

次に、Webマーケターの業務と必要なスキルです。
これは幅広く、明確に定義されていませんが、主たる業務をお伝えします。
Webマーケターの業務はPDCAに沿っています。
P(Plan):クライアントのゴールに向けて、どういう作戦を立てるかという計画立案
D(Do):その計画を実行します ※この実行はチームで他の方が手を動かすこともあります
C(Check):実行後に必ず振り返り、良かったことと悪かったことを見つけます。そしてさらにゴールに近づくには、成果の高いゴールにするにはどうしたらよいか再計画を立案
A(Action):再計画を実施 ~そして次のCへ。
この繰り返しです。
この業務を遂行するために必要になるのがWebツールです。
まとめてMA(Marketing Automation)ツールと呼び、さまざまな数値を扱います。
そのツールを扱ううえでの入り口ツールでもあり、避けては通れない有名なツールがGoogleアナリティクスですね。
数字は嘘をつきません。
必要なスキルは数値力です。
数字から何を読み解き、どんな結果を予測できるか、という「今」から「未来」を想像する力です。この想像ができれば、仮説を立てることもできますし、それによる改善策を見つけ出すこともできます。
できれば、忍耐力もあるといいですね。
このPDCAは一度でうまくいかないケースの方が多いです。
結果が出てこないからといって、すぐに落ち込むのではなく、次はこうやろう、ああしようと思考を前に進められる力があると良いです。
地道なPDCA活動がようやく結果に結びつく忍耐のいる仕事がWebマーケターなのです。
それぞれのスキルを持っておくメリット

本記事の冒頭で「将来、WebマーケティングとWebデザインの仕事をしたく、迷っています」と質問をしてきた転職希望者。
この方が、WebマーケティングとWebデザインの特徴を把握したうえで、両方を求めていくのだとしたら、それも一つのキャリアプランです。
Webマーケティングの知識をもったWebデザイナーは、クライアントとデザインの話をする際に、Webマーケティングの視点で話をすることで、そのデザインの納得性、信頼性が増していきます。
一方、Webデザインの知識を持ったWebマーケターも同じことがいえます。
PDCAの「C」の段階で、数値を根拠にしてデザインの改善案を提示する際、さらに感情に訴える見せ方が話せたならば、クライアントだって、きっと心を動かされるでしょう。
両方を求めていくにしても、“二兎を追う者は一兎をも得ず”というぐらいなので、どちらかを「軸」にしたうえで、ということは補足しておきます。