インサイトとは?潜在ニーズとの違いや活用事例

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マーケティング用語に「インサイト」という言葉があります。「顧客インサイト」や「消費者インサイト」などでよく耳にしますね。
「深層心理」的な意味合いで理解はしているものの、実際のプランニングで活用できているかというと、「あまり意識してこなかった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、「インサイト」への理解をさらに深めてもらい、マーケティング施策の強力な「武器」になるように解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

インサイトとは?


インサイト(Insight)は直訳すると「洞察」「発見」「直感」といった意味になります。
ちなみに「洞察」とは、ものごとを観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜くことを指しますが、マーケティング活動において「インサイト」は、次の意味で使われています。
 
・人を動かす隠れた心理
・その人自身も認識しておらず、説明することができない欲求
・無意識に抱いている本音や感情

つまり、消費者自身も気づいていない、「無意識の購買行動の動機」です。

インサイトの発祥は、1960年代のイギリス広告業界において、広告表現のアイデアを得るための方法論として生まれており、90年代にはアメリカで「製品開発」に取り入れられ、世界中の市場で成功をおさめてきました。
日本では2005年、その名も株式会社インサイトの桶谷功氏の著書「インサイト」の発表で普及し、マーケティングの現場で日常的に使われるようになりました。
施策立案の際はもちろん、商品開発やブランディングなど、マーケティング活動のなかで幅広く使われています。

インサイトと潜在ニーズの違い

 

インサイトとよく混同されがちな言葉に「潜在ニーズ」があります。ふたつの違いについて調べると、実にさまざまな記事や見解が出てきます。それぞれ微妙に違うので、唯一の定義や正解はありませんが、ここでは次の通りに考えます。

・顕在ニーズ・潜在ニーズ・インサイトの三構造
・インサイトと潜在ニーズは似て非なるもの
・消費者側と企業側、視点の違い

 たとえば、「ジムに通いたい」と思っている女性がいたとします。

① ジムに通う理由を「痩せたいから」だと自覚している状態
「顕在ニーズ」

② 友人に「なぜジムで痩せたいの」と聞かれて「う~ん。ただ痩せるというより、引き締まった感じで痩せたいから!」と答えられる
「潜在ニーズ」

③ ある日、この女性はひとつのInstagram広告に目が留まります。好きな女性タレントさんのファッション広告でした。いつもと違う雰囲気のシャツを着ていて、見入ってしまいました。タレントさんの個人アカウントへ行ってみると、案の定、その時の撮影風景がアップされていました。コメントを見ると、「カッコいい!」「痩せた?」「めっちゃいいオンナ風!」と絶賛されていて……確かにとても凛々しくて素敵。ハッシュタグにお店の名前があったので、思わず同じ服をネットショップで購入してしまいました。
「インサイト」(要は、カッコいい女性に見られたいのだが、本人は無自覚


①は意識している願望、②は聞かれたら意識に上って答えられる願望です。
そして、③の広告配信とインスタのアップが、シャツの店側の「痩せたいのは、カッコいい女性に見られたいから」というインサイトを持つ人を「ねらって」計画されたとしたら。

「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」が消費者側にあるのに対し、「インサイト」は企業側が主体となって照らし出した消費者の隠れた心理ということになります。

インサイトの重要性

 

ではなぜ、マーケティング活動全般において、インサイトが重要なのか。

先の「ニーズ」との比較でもわかるように、現代では、どこの企業も表層化された消費者のニーズは掴んでいて、それを満たす、同じような便利なモノやサービスで溢れています。
個人はSNSで趣味嗜好の発信が増え、企業もそれを分析する技術が日々進化しています。つまり、見えているニーズあわせてプロダクトや施策立案するのは、「どこもやっている」ことなので、競争優位に立つのが難しいのです。

一方インサイトは、「本人も気づいていない隠れた欲求」ですので、表層しておらず、まだ競合他社からも見えません。そこを発見して、顧客に「こういうことではないですか?」と提示することで、「そうです!」と気が付いてもらい、リードをとることができるのです。

また、インサイトが重要である理由に、もうひとつ驚くべき事実があります。

脳科学の観点から、「人間の思考・行動は、5%の意識と95%の無意識で成り立っている。
しかも、その95%の無意識も意思決定に関わっている」
というのです。

意識って、氷山の一角なのですね…。
ビジネスを行ううえで、目に見えない課題をいかに汲み取れるかの重要性をひしひしと感じます。

インサイトを活用した成功事例


では、その「消費者の隠れた心理」を発掘し、解決策の提示に成功した例をご紹介します。

1.    マクドナルド 「サラダマック」の不振からの気付き

マクドナルドがある時顧客アンケートをとると、「低カロリー」や「ヘルシー」「サラダ」などの要望が多く挙がっていました。そこで2006年、「サラダマック」を発売しましたが、思ったほど売れずに販売終了になりました。
アンケートでは、「ヘルシーがいい」という声があったものの、実際にマクドナルドを訪れる消費者は「背徳感がありつつも、ハンバーガーにかぶりつきたい」という本心があるのではないかとマクドナルドは考えました。そしてのちに、ヘルシーとは真逆になる、マクドナルドならではの独特の肉感を突き詰めた、「クォーターパウンダー」や「メガマック」を発売。結果、大ヒットとなりました。


2.   大戸屋 地下や2階以上の出店

飲食店の出店において、集客力が弱くなるという理由で一般的には敬遠されるビルの地下や2階。しかし、和食定食のチェーン店「大戸屋ごはん処」は、地下や2階以上に出店しています。
全国展開を始めた1990年代、和定食チェーン店はまだ少数。さらに、定食店は「男性ががつがつ食べるところ」というイメージが強くありました。
新規層として女性をターゲットにしていた大戸屋は、女性の気持ちを徹底的に調査し、「一人での外食が苦手」という気持ちに着目。調査をさらに進めて、「一人で店に入るところを見られたくない」というインサイトを見つけたのです。
人の目に触れにくい場所にあえて店舗を構え、きれいな内装や野菜を使ったメニュー、当時は珍しかったカロリー表示などでターゲットである女性客の心を掴みました。


いかがでしたでしょうか。
このような事例を見ると、企業側が消費者のインサイトを発掘することも大事ですが、さらにそこに自社の特徴や強みを活かしてマッチさせていくことが、ヒットの条件なのですね。

インサイトの重要性についてお話しましたが、最後に、

「どうやってインサイトを発見するの?」
「もっとインサイトの活用事例が知りたい!」という方におすすめの本のご紹介です。

●「欲しい」の本質
―――「人間を見に行くこと」、「意識していない状態の情報の収集」に、納得です。

「欲しい」の本質 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方

 大松孝弘 波田浩之 著

 


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