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日本の賃金上昇の推移を見てみると、平成の30年間で上昇した賃金はわずかしかない。1990年の平均給与は425万2000円。1990年以降、平均給与はしばらく上昇するのだが、1997年の467万3000円をピークに下がり始める。その後もずるずると下がり、2017年は432万2000円となる。1990年からの27年間で、上昇した平均給与は7万円ということになる。
では日本で給料が上がらない具体的な理由を見ていこう。
1. 長期デフレと経済成長の停滞
日本は長期にわたってデフレ（物価の持続的な下落）の影響を受けています。デフレ下では企業の収益が低下し、経済成長が鈍化する傾向があります。企業は業績の低迷を背景に賃上げを控える傾向があり、これが給料の上昇を阻害しています。
2. 企業の利益追求と賃金抑制
多くの日本企業は利益最大化を目指し、経費削減や効率化を重視しています。その結果、賃金を抑制する傾向があります。また、非正規雇用や派遣労働の増加により、労働市場の柔軟性が高まり、給料の個別交渉が難しくなっています。
3. 労働生産性の低下
日本の労働生産性が伸び悩んでいることも、給料の上昇を阻害しています。高度な技術や知識を要する仕事においては生産性が高いものの、一部の産業や企業では労働生産性が低い傾向が見られます。これにより企業は、給料の上昇を拒否する理由を見出しています。
4. 人口構造の変化と労働供給過剰
日本では少子高齢化が進行しており、労働力人口が減少しています。一方で、高齢者の就業率は低く、若年層の雇用が不安定なため、労働供給過剰という状況が生じています。これにより、企業は労働者に対して給料を引き上げる必要性を感じにくくなっています。
5. グローバル競争と国際労働分業
グローバル化の進展に伴い、日本企業は国際的な競争に晒されています。他国との競争力を維持するため、コスト削減や生産拠点の海外移転などを行っています。これにより、日本国内の生産拠点で働く労働者の給料が抑制される一因となっています。
ここで重要なのが日本はGDPで世界4位の経済大国だが、日本は経済規模が大きい一方で、平均年収の面では他の先進国に比べて劣る現実があります。これは、経済成長と個々の所得が必ずしも比例しないことを示しています。このGDPの大きさと平均年収の差異が示すように、経済成長と個々の所得には必ずしも一致しない側面があります。このギャップを埋めるために、個人が将来の安定した資産形成を目指すには、賢い資産運用戦略を立てる必要があります。
低金利時代の課題：預金からは得られない資産形成
日本では長らく低金利政策が続いており、銀行の預金金利もほとんどがゼロやマイナスに近い水準です。このため、単純に預金をしておいてもお金は増えにくく、資産形成や資産運用において新たな選択肢を模索する必要があります。
NISAや投資信託などの活用：資産運用の可能性拡大
NISA（少額投資非課税制度）や投資信託などの投資商品を活用することで、個人の資産形成や資産運用の可能性が大きく広がります。
現行のNISA制度は成長投資枠（旧 一般NISA）とつみたて投資枠（旧 つみたてNISA）の併用が可能になり、年間投資枠は、従来の120万円（一般NISAを選んだ場合）から3倍の360万円まで年間投資上限額が引き上げられました。
NISAの運用で得た利益を非課税で得られるというのは大きなメリットがあり、日本は投資後進国と言われており「株・投資信託」などの投資商品に対して利用率を各国ごと見ると米国：47％、欧州：25％、日本:16％しか利用していないことが分かります。
そのため、NISAなどの制度を活用することで、リスクを分散しつつ、将来の資産形成に繋げることができます。
効率的な資産運用につなげるために
しかし、投資にはリスクが伴います。したがって、プロの資産運用を模索する際には、リスクマネジメントや適切な情報収集が不可欠です。投資セミナーや専門家のアドバイスを受けつつ、自身のライフプランやリスク許容度に合わせて資産運用を進めることが重要です。
資産運用の重要性と挑戦
日本の経済の二面性を踏まえつつ、低金利時代における資産形成と資産運用の重要性がますます高まっています。平均年収の伸びが限定的である現状を考慮しつつ、投資による資産運用を通じて個人の財政基盤を強化することが求められます。しかし、その際にはリスクを適切に管理し、プロのアドバイスを活用することが不可欠です。将来の安定した資産形成に向けて、積極的な行動が求められます。
