仮説思考とは?Webマーケターの必須スキルがどう役立つのか、あらためて解説!
ビジネスをする上で欠かせない「仮説思考」。
「内容はよく分からないけど言葉だけは聞いた事がある」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
「仮説思考とはどのような考え方か」
「なぜWebマーケターに必須と言われているのか」
「どう仕事に活かせるのか」
「どうやって身につけるのか」
などについて、具体例を交えながら解説します。
「仮説思考」がWebマーケターの必須スキルと言われる理由を理解し、実務に活かすためのノウハウをご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください!
「仮説思考」とは?Webマーケターの必須スキルと言われる理由
インターネット上にたくさんの情報が溢れる今の時代、Webマーケターにはクオリティだけでなく、スピード感も強く求められます。少しでもクオリティの高い施策を提案しようと、施策を打つ前の情報収集に時間をかけていては、競合他社に先手を打たれてしまう可能性が高いからです。
そんな「スピード重視」の施策を行う際に欠かせないスキルが「仮説思考」です。
仮説思考とは、読んで字のごとく「仮説に基づいて考える事」です。
変化の激しい現代において、ひとつの施策を打つために必要な情報をすべて集め、じっくり検証してからプランを立てていては、時間的にも人的にもコストがかかり過ぎます。
また、新しいサービスが次々生まれる今、絶対的に成功するやり方や、ぴったり当てはまる過去のケーススタディも存在しないのが現実です。
不確実性や新規性の高いビジネスの世界で、「十分な情報がない段階」「十分に分析が済んでいない段階」で立てた「仮の答え」「仮の結論」に基づいて、「現時点で考えられる最も効果的な方法は何か」を導き出す考え方が「仮説思考」なのです。
■仮説思考とは?
・仮説に基づいて、その時点でのベストプラクティスを考える事
・不確実性や新規性の高いビジネスの世界で、スピーディーに結果を出すための思考法
➡だからWebマーケティングに役立つ!
図解で見る!仮説思考のプロセス
では、実際どのようなプロセスで「仮説思考」を進めればよいのか見ていきましょう。
Webマーケティング実務では、Web解析ツールなどを使ってデータを分析し、現状把握と課題を見つける事が仮説思考の第一歩になります。
▼STEP1:現状分析
Web解析ツールなどを使って現状を把握し、課題点を探す
▼STEP2:仮説の設定
数値やデータから考えられる「仮の課題」を設定し、解決に向けた施策を考える
▼STEP3:仮説の検証
実行した施策の結果について分析し、数値の変化などの事実を検証する
▼STEP4:仮説の修正
分析結果を踏まえ、必要に応じて仮説の見直しを行い、新たな施策を実行する
現状分析を踏まえた仮説について検証と修正を繰り返す事により、施策をブラッシュアップさせていくのが「仮説思考」のプロセスです。
「なぜ?」を繰り返して仮説思考力を磨こう
次に、仮説思考のサイクルを回す上で気をつけておきたい3つのポイントをご紹介します。
① 分析範囲は広げすぎず、ある程度絞る
現状分析は、仮説思考の第一歩目です。Webマーケティング初心者は少しでも多くの情報を集めようとしがちですが、ここに時間をかけすぎないよう気をつけましょう。大事なのは「トライアンドエラーの繰り返しによって少しでも速く、質の高い施策を見つけて結果を出す事」です。そのためには、
広告運用であれば、競合他社のリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS運用状況などを見る
メディア改善であれば、男女比、新規率、デバイス、アクセス時間、主な流入元などを見る
など、最初に分析するポイントをある程度絞る事が大切です。
② 検証データは積み上げ式で残しておく
分析範囲を絞る代わりに、施策実行後の検証データはしっかり残しておきましょう。仮説思考とは、正解がない中で最善の答えを探し続けるプロセスです。そのため、
初回の仮説設定でどんなプランを実行したか
その結果を踏まえ、どのように方向性を修正したか
修正によってデータにどんな変化が起きたか起きなかったか
といったデータを積み上げ、客観的な分析を続ける事が、成果を生み出すポイントになります。
③ 「なぜ?」を繰り返しながら課題の本質を深堀りする
仮説を立てる際は、データを踏まえた自分なりの根拠が必要です。
例えばメディアサイトを見に来たユーザーについて分析する場合は、
なぜ、男性ユーザーより女性ユーザーのほうが多いのか
なぜ、女性ユーザーの中でも30代の割合が高いのか
なぜ、平日早朝と夕方の時間帯にアクセスが集中しているのか
というように、「なぜ?」を繰り返しながら深堀りしていきましょう。これにより、例えば「家族のためにお弁当や夕食のレシピを検索してサイトを見ているユーザーが多いのでは」などとペルソナ設定をする事が出来るため、具体的な施策を考える上での根拠やヒントを見つけやすくなります。
普段の生活の中でも、「なぜ、今この商品が売れているのか」などとユーザーニーズを深堀りしていく事で、仮説思考のトレーニングができますよ。
仮説思考を用いたWebマーケティングの事例紹介
仮説思考のメリットと思考プロセスが分かったところで、実践編として具体例を見てみましょう。
※以下、事例と画像はWannabe Academy Webマーケティングコース 第4回授業カリキュラムより抜粋
<事例>
■施策の目的
・自社メディアサイトのコンバージョン率(※)を上げるため、アクセス数の多い下記 コンテンツをリライトしたい
・リライト対象の記事のテーマは『自社サイトに流入している法人ドメインをGoogleアナリティクスで特定する方法は?』
※コンバージョン率…CVR/Conversion Rate。「3記事以上の閲覧」「問合せフォームへの入力完了」など、あらかじめ設定した「ページの目標数値」を達成した率を指す。
▼STEP1:現状分析
Googleアナリティクスでのページ分析の結果、下記事実が分かった
・事実A:25‐34歳の男性ユーザーが多い傾向
・事実B:平日日中のアクセスが多く、特に平日午後にアクセスが偏る傾向
・事実C:GoogleとYahooからの自然検索が多く、ダイレクトからの流入はCVRが高い
・事実D:閲覧デバイスは、デスクトップ:モバイル=1:1だが、CVRはデスクトップのほうがよい
▼STEP2:仮説の設定と施策の実行
現状分析で得られた事実を踏まえていくつか仮説を立て、具体的な施策に落とし込み実行する
▼STEP3~4:仮説の検証と修正
仮説に基づいて実行した施策について分析を行い、今度はそこで得られた事実を踏まえて新たな仮説を立て、施策を実行する
このように、現状分析→仮説の設定→仮説の検証→仮説の修正を繰り返しながら目標達成率(今回の事例ではCVRの改善)を上げていくのが「仮説思考」に基づいたWebマーケティング実務の流れです。
また、今回はWebマーケティング実務を例にご紹介しましたが、事前に得られる情報が少なかったり、少しでも早く結果を出す事が求められたりする場合であれば、「仮説思考」はどんな分野・どんな場面でも応用できます。
実際、Webマーケターに限らず、コンサルタント職、営業職、企画職など、幅広い職種の方が仮説思考を仕事に活かしていますので、普段から意識しておくと仕事の成果を出しやすくなり、キャリアアップのきっかけを作る事ができます。
ぜひ、身につけておきましょう!
「思い込み」や「思いつき」とは今日で決別!
「仮説思考とは何か」
「どのように考えればよいか」
についてご紹介しました。
「仮説思考」という、「仮の考え」に基づきスピーディーに最善の方法を導き出すメリットやそのプロセスについて、ご理解いただけたと思います。
最後にひとつ、ご注意いただきたいポイントがあります。
それは、「仮説思考」は「思い込みや思いつきでプランを進めていく事」とは違うという点です。
この2つは、不確かな情報の上に立って考えたり行動したりするという意味では共通しています。しかし「思い込みや思いつき」が自分の先入観や直感だけに偏ったやり方であるのに対し、「仮説思考」はフラットな目線で仮説を検証し、プランの変更もいとわず行うやり方である点が絶対的に異なります。
「自分の仮説は100%正しいはずだ!」と信じきっていると、無意識のうちに自分に都合のいいデータだけを追ってしまい、実情に合わない施策に予算を費やしてしまうおそれもあります。
結果につながる施策を実行するためには、一度立ち止まって「データや数字をゼロベースで分析できているか?」と自分に問いかけてみる事をおすすめします。
仮説思考の正しいプロセスを身につけ、クライアントにとってより効果の高い提案が出来るマーケター、そして周りからも一目置かれるビジネスパーソンを目指しましょう!
Webマーケティング学習は実践が大切!
Webマーケティングに必要な「考え方」や「スキル」を自分の物にするためには、実践トレーニングで場数を踏む経験が欠かせません。
「実務経験ゼロからWebマーケターを目指したい」
「クライアントの役に立てるマーケターになりたい」
そんな方は、カリキュラム修了後に実在する企業の案件に携わる「実務研修」の機会があるWannabe Academyがおすすめです。
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