検索クエリ徹底解説|調べ方から、Webマーケ業務での活用方法まで
Webマーケティング業務を行ううえで欠かせないのが検索クエリです。皆さんはうまく活用できていますか? 検索クエリを分析することで検索ユーザーの真のニーズを把握することができます。
「広告のCPAが下がらない」「どのようにSEO対策をしたらよいか分からない」といった悩みを抱えている方は、この記事を読むことで検索クエリの基本的な知識と効果的な活用方法を知ることができます。
検索クエリとは?
検索クエリとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、ユーザーが検索窓へ入力した語句やフレーズのことです。
たとえば、コーヒーについて知りたいとき「コーヒー おすすめ」と検索するユーザーもいれば「コーヒー おすすめ 安い」と検索するユーザーもいます。このようにユーザーの悩みの内容や深さによって、無数の組み合わせになり得るのが検索クエリです。
一見単純な語句の集まりに見える検索クエリですが、実はWebマーケティングに活かせるヒントが多く隠されています。検索クエリによってユーザーの目的や意図はどのように違ってくるのでしょうか。その違いを単純な推測ではなく、根拠となるデータを用いてWebマーケティング業務へ活かす方法を後ほどご紹介します。
検索クエリとキーワードの違い
Webマーケティング業務の中で検索クエリと同じくキーワードという言葉もよく使われますが、この2つはそれぞれ違う意味を持ちます。検索クエリはユーザーが実際に検索エンジンで検索した語句やフレーズなので、1語もしくは複数語、文章で成り立っています。
一方、キーワードは主にマーケティング担当者や広告運用者が、SEOや広告を作成するうえで重要だと位置づけるワードのことです。広告配信の際は検索クエリを参考に、集客やコンバージョンにつながると推測される語句を抽出し、ユーザーをターゲティングするために登録します。結果、キーワードと検索クエリが同じになることもありますが、文章では登録しません。たとえば「コーヒー」「安い」などそのもので意味が通じる語句、もしくは「コーヒー 安い」など語句の組み合わせが基本です。
検索クエリの種類
数ある検索クエリにおいて、ユーザーの目的や意図はさまざまです。2002年、Google の科学者であったAndrei Broder(アンドレイ・ブローダー氏)は「A taxonomy of web search」を発表し、検索クエリを3つに分類することを提唱しました。
これらの分類を理解することでユーザーのニーズをより深く理解することができ、ニーズにマッチした施策を行うことが可能になります。今後どのようなキーワードで広告を配信しコンテンツを作っていけばよいかを検討するのにも役立つでしょう。
インフォメーショナルクエリ(情報型)
インフォメーショナルクエリはKnowクエリとも呼ばれ、情報収集を目的としたクエリです。「マーケティングとは」など語句の意味を調べる目的のほか、「コーヒー おすすめ」「パスタ 簡単 レシピ」など使用目的が広いのもインフォメーショナルクエリの特徴です。
ユーザーは答えを得られそうなサイトを訪問し情報を得ようという傾向が見られるので、必ずしも購買やお問い合わせにつながるとは限りません。しかし、ユーザーとの最初のタッチポイントとなる場合もあるので重要視されています。
ナビゲーショナルクエリ(案内型)
Goクエリとも呼ばれるナビゲーショナルクエリは、特定のサイトやすでに知っているサービスなど明確なアクセス先への訪問が目的のクエリです。「東京都庁」「Wannabe Academy」など指名検索が特徴で、検索クエリ全体における割合としては少ないですが認知度を測る指標となります。
複数の施策でブランド認知を促したり、再訪したくなるような仕掛け作りをサイト上で継続して行いつつ、インフォメーショナルクエリと後述するトランザクショナルクエリを意識しながらSEO施策を行うとよいでしょう。
トランザクショナルクエリ(取引型)
トランザクショナルクエリはDoクエリとも呼ばれ、購買や資料請求など具体的な行動を目的としたクエリです。「コーヒー 通販」「マーケティング スクール 体験授業」など検索の段階で明確な目的を持っていることが特徴です。このように商品やサービス名に、行動を表すワードを組み合わせる傾向があり、具体的なアクションに結びつくクエリと言えます。
リスティング広告においては、成果のあるワードを抽出し活用するとよいでしょう。しかし需要の高いワードは入札単価が上がりやすいため、費用対効果を注視していく必要があります。
検索クエリの確認方法
検索クエリはどのように確認すればよいのでしょうか。ここでは無料で誰でも利用しやすい、具体的な確認方法を2つご紹介します。
サーチコンソールでの確認方法
サーチコンソールとはGoogleのサービスで、Webサイトを登録することにより、そのサイトに関する検索クエリや掲載順位を確認することができ、改善に役立てるヒントを教えてくれるサービスです。
Googleサーチコンソールで検索クエリを確認する方法は以下です。
- ホームの画面左上の検索パフォーマンス → クエリタブ
上記の手順で検索クエリが確認できます。また各クエリに対しても表示回数やクリック率などを分析することも可能で、SEO対策にも活用ができます。
Googleアナリティクス4での確認方法
Googleアナリティクス4もGoogleのサービスでWebサイトへのアクセスに関する分析ができるツールです。サーチコンソールはWebページ来訪前のデータ分析がメインですが、アナリティクスは来訪後のデータも詳しく計測できます。
Googleアナリティクス4で検索クエリを確認する方法は以下です。
- レポート機能 → Search Console → クエリ
※あらかじめGoogleアナリティクスとサーチコンソールを連携したうえでレポートを表示させる設定が必要です
検索クエリと検索語句の違いは?
検索クエリと似た言葉で検索語句という言葉があります。意味は検索クエリと同じですが、検索語句はGoogle広告を利用している場合に用いられる語句です。
ユーザーが検索窓に入力した語句を検索クエリと言うのに対し、入力した後の検索結果ページ(自然検索)において実際に広告の表示につながった語句を検索語句と言います。検索語句はGoogle広告の管理画面上で確認ができます。
また同じようにYahoo!広告では、Google広告でいう検索語句のことを検索クエリーという用語を用いて同じく管理画面上で確認できます。
一部しか表示されないのはなぜ?
検索クエリをサーチコンソールで確認できると前述しましたが、サイトによってはクエリの件数が少なかったり一部が表示されない場合があります。検索クエリとして表示されているクエリは実際の検索クエリすべてではなく、表示されていないクエリもあるということです。
Search Consoleヘルプによると、極端に表示回数やクリック数が少ない、いわゆる「ロングテール」のキーワードが多いサイトはデータに出てこないクエリが増える可能性があります。また、プライバシー保護の観点から個人の特定に至りやすいクエリはデータから除外されていると思われます。
検索クエリを分析する5つの方法
検索クエリを分析するうえで大事なことは、語句の構成を把握するだけでなくユーザーの目的やさらに潜在意識の中にある意図を把握することです。正しい方法で深く分析することによって、新たな発見や成果につながる語句を知ることができます。ここでは具体的に5つの分析方法をご紹介します。
Googleサジェストを確認する
サジェストとはGoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索窓へ語句を打ち込んだときに、その語句を用いて他の人が検索したワードや推測ワードを表示する機能です。
サジェストに表示されているのは、検索クエリの中でもよく検索されている語句の組み合わせであり、どのような目的で検索されやすいかが見えてきます。
サジェストは以下のツールでも確認することができます。無料なので誰でも利用できます。
サジェスト機能を使うことで、効率よく需要のある検索クエリにたどり着くことができるといえるでしょう。
実際の検索結果を確認する
検索窓へ語句を打ち込んだ後に表示される検索結果のページを確認するのも、有効な手段です。なぜならGoogleのアルゴリズムによって、打ち込んだ検索クエリの答えに一番近いと予測されるページから順に表示されるようになっているからです。それらのページのコンテンツを読み解くと、最もユーザーが知りたがっていることは何かが発見できる可能性があります。
たとえば、「パスタ おすすめ」と検索するユーザーの意図は「おすすめのパスタのお店を知りたい」のか「おすすめのパスタのレシピを知りたい」のか一見分かりません。ですが実際にGoogleで検索をしてみると、検索結果の1ページ目の上位にはユーザーの近隣のお店の紹介記事やランキング記事が表示されていて、それに続きレシピの紹介記事が並んでいます。このことから、「パスタ おすすめ」と検索するユーザーはお店を知りたいという目的のユーザーが多いということが分かります。
Google広告を確認する
検索クエリの中でも実際に広告の表示につながった語句を検索語句といい、Google広告の配信を行っている場合は、Google広告管理画面の中の「検索語句」から確認することができます。
- ログイン → 画面左のキーワード → 検索語句
またYahoo!広告の場合は「検索クエリー」と表示され同じく管理画面の中で確認することができます。
- ログイン → 広告管理ツールの検索広告タブ → キャンペーン管理タブ → 表示内容選択からキーワードを選択 → 画面中央の検索クエリーを表示
数ある検索クエリの中でもどのような語句が広告の表示につながったか、またその語句はコンバージョンに至ったのか、獲得単価はいくらなのかという点まで知ることができます。このような分析結果を入札や除外設定に反映しながら改善を行っていくことが望ましいでしょう。
Yahoo!知恵袋などを確認する
Yahoo!知恵袋のサイト内の検索窓に検索クエリを入れてみて、ユーザーの質問内容を見てみるのも参考になります。どのような表現で質問しどのような答えに満足したのかを知ることができ、ユーザーの隠れた意図を推測できます。
たとえば、「コーヒー おすすめ」と入力してみると「初心者にも苦くないコーヒーを教えてほしい」や「プレゼントにおすすめのコーヒーは」「コーヒー器具のおすすめは」などの質問がありました。「コーヒー おすすめ」と検索するユーザーは初心者が多く含まれる、またはコーヒーに興味があるユーザーはお店を知りたいだけではなく、プレゼントや器具にも興味があるのでは、と推測できます。
記事の中にそういった情報も載せると、ユーザーの満足度やGoogleの評価が高まり検索結果の上位表示につながる可能性があります。
Twitter で検索してみる
Twitterの検索窓から検索クエリを入れてみると、検索クエリに関連した最近のツイートと人気のツイートが表示されます。特にこうしたSNSは世の中のトレンドを反映しやすいので、検索クエリに関連した今現在話題になっていることをキャッチアップしておくことで、集客のヒントが得られるかもしれません。特に、予測していなかった検索クエリでの流入が増えてきた場合は、SNSでの検索でチェックしてみましょう。
検索クエリをWebマーケティングで活かそう!
複数の語句が組み合わさった検索クエリは注目する必要があります。なぜならユーザーの意図や目的がより強く明確に表されているからです。これらの検索クエリは表示こそ少ないかもしれませんが、コンバージョンにつながりやすい語句といえるので、マーケティングにおいて取りこぼすことなくしっかりと活用していきたいところです。ここではSEOやリスティング広告での活用法をお伝えしていきます。
SEOで活用する
サジェスト機能やGoogle広告などで有効な検索クエリを抽出したら、それをキャチコピーやコンテンツへ落とし込んでSEOに活かしましょう。抽出した検索クエリに関連する情報や、ユーザーの求める情報をページへ反映させることで、有効なSEO対策になりGoogleからの評価も上がるでしょう。また、複数の分析方法から得た潜在意識の中にあるニーズについても言及することで、ユーザーにとってより満足するページになります。
狙ったキーワードで検索されているかどうかを調べることも大切です。狙ったキーワードで流入されていない場合はコンテンツの改善を速やかに行う必要があります。時間の経過とともに検索順位が落ちている場合は、キーワードとコンテンツとの関連性が低くなっている可能性があります。情報が古くなって検索されにくくなっていないか随時確認しましょう。
リスティング広告で活用する
リスティング広告はあらゆる広告の中でも、明確な意図を持った顕在層にアプローチできる広告です。たとえば、「Webマーケティング とは」というキーワードを設定して広告を組み立てたとします。検索クエリを分析したところ「Webマーケティング 方法」というキーワードでの流入の方が多かった場合、方法についてのアセットを追加することで集客を改善できる可能性があります。
またコンバージョンにつながっているかそうでないかの観点で見てキーワードを追加したり除外を検討することが基本です。市場の動向による検索クエリの変化を見ながら日々細かい調整をしていくことが大事です。
リスティング広告の配信結果から表示回数の多い検索語句にも注目しましょう。表示回数が多ければ多いほどクリック数も増えていくことが予測されます。広告を配信するうえで、具体的な行動を促すトランザクショナルクエリでの集客も意識したいところです。コンバージョンが今のところ少なくてもキーワードには登録しておきましょう。トランザクションクエリで競合が多い場合はまず、インフォメーショナルクエリに着目してみるのも有効です。情報を探している段階のユーザーに先駆けてアプローチしていくことで、新たにコンバージョンへつながるキーワードでの広告へ改善するヒントが生まれます。
検索クエリを正しく分析して広告を出稿することで無駄な検索クエリへの広告表示を減らすことができ、CPA改善につながります。
まとめ
検索クエリからユーザーの真の意図を汲み取り、適切なキーワードをWebマーケティングに活かしていくことで成果につながることが分かりました。今までうまく活用できていなかったという方は、手軽に無料で始められる施策ですので取り組んでみてください。
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