【現役Webディレクターに聞く!】Webサイトを制作したあとの広め方
「Web制作を学んで転職したい!」
「Web制作のキャリアってどんなイメージ?」
今回は、そのような思いをお持ちの方に、現役Webディレクターのお話をお届けします。
Wannabe AcademyでWebマーケティングを学んだ筆者のInstagramには、よく、「Webデザイン」や「Web制作」を短期間で学ぶ!といった広告が表示されます。また、オンライン系のスクールには必ずといってもいいほど「Web制作」「Webデザイン」コースがありますので、それだけ需要があるのでしょう。
しかし、大事なのは制作スキルを身に付けた後!
「学んだ後、『どんな風に』『どんなお客さんと』『どんな仕事』するのかな…」
「制作のスキルを習得したとして、その後のキャリアはどうしよう」
このあたりについて、Wannabe Academyの卒業生で「Web制作会社」から、「Webコンサル会社」に転職成功された30歳のMさんに、実際のお仕事内容などお話を伺いました。
Web制作会社で働いていたころの業務内容とお悩み
――転職前は、おもにどのようなWeb制作をされていたのでしょうか。また、その頃どのようなことを意識してお仕事されていましたか。
行政のサイト専門のWeb制作会社で住民票や子育て支援の情報などをメインに制作していました。知りたい人が知りたい情報にたどり着けるように、どうわかりやすいサイトにするか、がポイントでした。
――その頃のお悩みはどのようなことでしたか。
行政サイトは予算の関係で納期をずらすことができなかったので、第一に納期重視でした。ですので、いかに「顧客とトラブルなく、スムーズに仕事を進めるか」が重要で、言われた通りに一生懸命作るという感じでした。
――Wannabe Academy受講後に現在の会社に転職されて、Webディレクターという点では一緒ですが、業務内容は違いますか。
現在はWebマーケティングコンサル会社でディレクターをやっています。業務内容の例をあげると、問い合わせが増えるようなサイトの企画・設計、オウンドメディアのコンテンツマーケ、LPの制作から広告運用。つまり、CV※を獲得できるようなサイトの改修や立ち上げですね。
※CV…コンバージョン。Webサイトの目的における、最終的な成果。(例:資料請求)
――なるほど。本当にWebマーケティング全般ですね…。一気に広がりましたね。
以前の制作会社にいた頃は「CVを獲得する」という概念はなかったので、そこが最も違いますね。また、転職という点では、マーケティングを学習していなければ、そもそも採用もされなかったでしょうし、仮に奇跡的に採用されても、自分が絶対についていけなかったと思います。
――お悩みごとも以前とは違いますか。
サイトを作って納品してOKではなく、成果を出すことが求められるので、そこはシビアです。どうしたら顧客の売り上げや事業に貢献できるかを常に考えています。
Web制作を依頼されるお客様の実際
――Mさんの会社でのお仕事の受け方は何経由ですか。
弊社は紹介のみです。顧客からの紹介がメインで、あとは社長のお知り合いですね。
現在は4社ほど毎月固定で契約をしていて、顧客企業の「マーケティング部」的なスタンスでやらせていただいていますので、単発の案件はあまりありません。
――Mさんのところはそうなのですね!世の中のWeb制作会社の受注経路とか調べたくなりました。HP経由や営業経由という会社も多いのでしょうか。
そうだと思います。もしかしたら弊社が特殊なほうで、広告など使ってHPで集客されている会社さんや、営業さんがコンペ案件とってきて…は、やはり多い様子ですよ。
――あと、マーケティング部ポジションというのも、安定感があっていいですね。長期で関わると自身の会社にとってもノウハウが蓄積されますね。
そうですね。ずっとPDCAを回している感じになるので、それはあります。
――発注者はWebのリテラシーがある方、ない方、どちらが多い印象ですか。
Webのことは詳しくない方のほうが多いです。
――新規制作とリニューアルはどちらが多いですか。
う~ん、半々くらいでしょうか。部分的な改修も含むなら、リニューアルの方が多いです。
――ああ、でも新規も結構あるのですね。個人的に聞いているだけでもワクワクします!ずっと新規だと大変ですけど、改修ばかりでも、新しい業界の知識や観点が増えないですしね。
それはその通りですね。
Webサイトの広め方
――さて、本題の「サイトの広め方」、または「サイトへの集め方」についてお聞きして参ります。
実際、どの段階でこの話になるのでしょうか。最初のヒアリングですか?
そうです。最初のヒアリングでご要望やご状況、目的などをお伺いしていますが、その段階であらかじめ詰めておきます。例えば、コーポレートサイトをリニューアルして「お問い合わせ数を増やしたい」とか、「ページビュー数を増やしたい」とか、目的が一番重要になるのでそこを確認して、ではそのためにまず何をやって、その次に何をやって…と、制作に入る前にイメージを描いておきます。
――SEOやコンテンツ、SNSなどいろいろありますよね。どうやって選ぶのか、何からやるのか、手法の判断基準は?
これに関してはわたしがというよりも、先輩や社長に相談して決めています。基準は、予算・ターゲット・期間です。
――なるほど。予算・ターゲット・期間が大きな判断基準…。確かに。これに合致した施策ということですね。そして、先輩や社長に相談できるって、当たり前ですが、いいことですね!ひとりで悩んだり抱え込んだりせずに、安心して成長できそうです!
――クライアントから「○○をやってみたいと思っている」と最初に言われることも結構あるのではないですか。
クライアントからジャストアイデアで意見されることがほとんどです。ただ、さきほどの判断基準やデータなどを見て、プロとしての目線からお断りすることもあります。そこをいかにご納得いただけるかが重要になりますので、論理的に説明できるように訓練しています。もちろん、追加予算をいただいたり、優先順位をつけたりなどして、できるだけご対応できるよう心掛けています。
――手法について、希望を言われるクライアントはやはり結構いらっしゃるのですね。
当然といえば当然ですね。コンサルティングを受けること自体、自社の課題について真剣に取り組んでいるのですから。
マーケティングをふまえたWeb制作とは
――作ったサイトに来てもらうための手法を提案するのは、まさにマーケターの仕事!ですが、実際、そもそものWeb制作自体を、マーケティングを根拠に新規やリニューアルを行うケースはどの程度なのでしょうか。
実は、わたしはクライアントに根拠になるデータをいくらか提供(開示)していただいて、それを分析してサイト作りをやるものだと思っていたのですが、実際には、「クライアントの好み」や「参考にしているサイト」「アバウトなターゲット層」をフォーマットに記入してもらって作るのが一般的なようで。Mさんの現場では何を元に新規制作をされていますか。
デザインに関しては、クライアントがユーザーにどういう印象を持ってもらいたいかと、ペルソナを決めることで作っています。新規制作の時は、データがないことが多いので、これらをヒアリングして決めていますね。
一方、リニューアルの時は、ヒートマップやGA※のデータを見て、ユーザーの行動分析から提案します。
※GA…Google Analytics。Googleが無料で提供しているWebサイトのアクセス解析ツール
――おお~!授業や卒業課題を思い出しますね。リアルに直結しているのですね。
ただ、短納期のものもあるので、ヒアリングでも十分な情報収集ができずに、企業のロゴの色に合わせてLP※を作る…といったようなことも普通にあります。本当は時間をかけて、色々分析して検討したいのですが、現実的に難しい案件もあります。
※LP…ランディングページ。検索や広告を経由し、ユーザーが最初にアクセスするページ
――わかります。やっぱりそうですよね。時間があれば新規制作でも、例えば競合分析とか反映できますものね。急ぎで作るのであれば、作ってから結果を見て手を加えていくしかないですね。仮説思考とPDCAですね!
Webディレクターのキャリア
――最後に、近い将来、『こうなっていたい!』というような今後の目標はありますか?
そうですね…。
よりコンサルタント的な役割を担えるようになりたいです。
現在はまだまだ先輩に相談することも多いので、自分で考え判断しながら、SEOを意識したサイトの設計や、成果の出るLP制作をできるようになっていきたいと思っています。
将来的には顧客に「頼りになります!」「あなたの提案ならぜひやってみたいと思います!」と言ってもらえるような人材になりたいですね。
また、Webマーケティングだけでなくデザインの勉強もしたいと思います。
私は未経験からWebディレクターになったので、デザインの実務経験がなく、デザイナーさんに制作依頼するときに、うまく行かないことがあります。簡単なバナーや、LPの制作も自分でできるようになれば、また業務の幅も一層拡がってよいかな…と思っています。
――デザインですか。そういえばWannabe Academyでもデザインコースができるなど、「デザインを学びたい」というニーズが多いみたいですね。
そうなんです。Webディレクション×Webマーケティング×Webデザインのスキルがあれば、自分で受注してサイトを作ることもできますし、もし今後、自分が新しいビジネスをやりたいと思った時に、「一気通貫で対応できる人材」として価値が高まるかなと思っています。スキルの掛け合わせで、今後、副業などにも挑戦していきたいです。
編集後記
いかがでしたでしょうか。
もともとWeb制作のスキルを身につけていたMさんでしたが、さらにWebマーケティングを学び、コンサル会社に転職されました。「授業で学び、実務研修で実務も経験したことで、面接の時は面接官とも専門用語で会話ができた」「制作から提案、運用まで拡がったことで年収も100万円上がった」とのこと。
また、先輩マーケターには、経験から蓄積されたからこその、「解析のコツ」「運用のコツ」なども教えてもらえているそうで、うらやましい環境だなぁと思いました。
最後に語っていただいたキャリア目標も具体的でしたね。
Web制作における、転職やキャリアに迷われている方の参考になれば幸いです。
Webマーケティング学習は実践が大切!
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