【現実】Webデザイナー「やめとけ」「後悔」は本当? 現役プロが本音を語る

Webデザイナーを目指している方、興味がある方にとって「Webデザイナーはやめておけ」「後悔」「病む」といったワードをネット上で見かけると不安になりますよね。これらの声が上がる理由は何でしょうか。10年の経歴を持つ現役Webデザイナーの筆者が、実際の経験から本音を語ります。
結論から言うと、そうならないためのスキルを身に付けておくことで、「後悔」「病む」は回避できるのでご安心ください!
この記事では、Webデザイナーの実態について包み隠さずお伝えするとともに、充実したWebデザイナーライフを送るための秘訣やアドバイスをご紹介しています。
ネット上で「Webデザイナーはやめとけ」「後悔」と言われる理由
「Webデザイナーはやめておけ」「後悔」というワードがネットに存在するということは、他の仕事よりきついのでは?と想像してしまいますよね。どんな点が大変だと言われる理由になっているのか具体的に見ていきましょう。
【精神面】による理由
クライアントに振り回される
プロジェクトの初めに、クライアントとデザインの方向性や目標、納期、予算など具体的な要件を明確にすることが重要です。そこが曖昧だと要望が増えたり変更されたりすることが頻繁に行われ、納期や予算の検討がされることなく「あれもこれもやって」と「振り回されている」という状況になりがちです。
修正のジレンマ
クライアントからの修正指示は、時には自分のデザイン意図と反することがあります。その場合は、クライアントの要望をベースに、デザインの品質や効果のバランスを取りながら妥協する必要があります。
納期のジレンマ
大抵のプロジェクトには時間と予算の制約が存在します。自分の納得するデザインにしたくても時間や予算の制約が厳しい場合、クオリティに妥協しなければいけないことがあります。
センスを否定される苦痛
クライアントと自分の中のイメージが必ずしも一致しているわけではないので、批判や否定的なフィードバックに直面することがあるかもしれません。個人的な攻撃ではないと頭の中では分かっているつもりでも、自分のセンスを否定されているように感じてしまう時もあります。
大変さが伝わりにくい
シンプルなシェイプやコピー1つであっても、そこに行き着くまでにいろいろな取捨選別が行われています。そのような苦労の中で生み出されたものであることは、クライアントは当然知りません。シンプルで洗練されたデザインであればあるほど、その労力はほとんど伝わらないです。
【体力面】による理由
残業が多い
すべての会社が当てはまるとは限りませんが、受託型の制作に関わる現場では慢性的に残業が多いと言えます。複数の案件が同時期に進行していたとしても、それぞれの案件の納期を守ることは大前提です。21時や22時までは割と普通という現場も多いです。
代わりがいない
ある程度形が決まったものに対する修正作業は分担できますが、アイデアを出す作業は他の人に代わってもらうわけにはいきません。特にプロジェクトの初期段階におけるデザインの提案は、体調不良だろうとなんだろうと自身でやり切るデザイナーが多いです。
【環境】による理由
「底辺」と言われがち
Webデザイナーは学歴が必須ではない職種です。クリエイティブな作業ばかりではなく、クライアントからの修正指示を延々とやらなければいけない時もあり、地味な一面もあるので「底辺」と見られてしまう時もあります。
賃金が低い
スキルが低い場合はできることも限られるため、収入は低くなりがちです。Webデザイナーは近年人気で競争が激しいので、クライアントはより安価でサービスを依頼できるデザイナーを探し、デザイナーも高クオリティな仕事を低価格で提示せざるを得ない状況になっています。
常に知識の吸収が必要
市場の動向やトレンドのチェック、ソフトやツールの仕様変更など常に情報をアップデートしていく必要があります。ユーザーのニーズは刻々と変化するので、ニーズに合っていないデザインは興味を持ってもらえません。クライアントからも当然のように、最新のトレンドや感覚を期待されます。
末路やキャリアパスの不安
自身のスキルの更新をしない人、他の人と同じことしかできないWebデザイナーは段々と必要とされなくなるでしょう。新しい知識の吸収はやはり若い年代の方が得意なので、長年勤めているからといって昇格できるような職種ではないところが不安です。
離職率が高い
Webデザイン業界は需要が高く人気の職種ですが、それだけに競争は激しいです。仕事の安定性や収入の不安定さが離職率の高さにつながっていると言えます。また、成果物に対しての評価に常に晒されるため、ストレスやプレッシャーから離職をする人もいます。
ネット上の「Webデザイナーはやめとけ」「後悔」は気にしすぎなくて大丈夫!
Webデザイナーは大変な職種ではありますが、魅力もたくさんあるからこそ人気が高い職種です。筆者はWebデザインの仕事に関わり始めて10年が経ちますが、結論から言うとWebデザイナーは、やりがいに満ちていて一生続けたいと思える職業だと思っています。
「Webデザイナーになってよかった!」私がWebデザイナーを10年続けている理由
満足感と達成感を各工程で味わえるから
Webデザイナーの仕事は作業の各工程で、満足感と達成感を味わうことができます。たとえば下記のような時です。
- 新しいアイデアが生まれた時
- 綺麗なデザインができた時
- クライアントの曖昧な要望を具現化して喜ばれた時
- 自分のデザインが多くのユーザーの目に触れて、行動のきっかけになった時
- 自分のデザインによって売上が上がった時
小さな成功や達成感が積み重なり自信と誇りになります。そうした機会の多さが仕事のやりがいにつながっているように思います。
理想の働き方ができているから
今まで結婚、子育て、介護などのライフイベントにより働く環境の変化はありましたが、Webデザイナーの仕事は転職もしやすく、無理なく続けられています。特にフリーランスになってからは、通勤時間や無駄な会議で時間が潰れることもなく自由度が上がりました。
スキルアップにより高単価案件を受注できるようになったから
スキルアップを意識して案件をこなすことで、仕事の幅も広がり高単価案件を受注できるようになりました。Webデザインについてのオンラインセミナーやコミュニティの数も近年増えています。それらを活用することで刺激を受けながらスキルアップができる点も魅力です。
将来性があるから
Webデザイナーとして経験を積みつつマーケティングの知識も身に付ければ、より高収入のWebディレクターやWebコンサルタントへの道もあります。上流工程での仕事は、市場を大きく見渡して動かす楽しさなどまた違った醍醐味があるでしょう。筆者もまだまだ上を目指していきたいという希望があります。
Webデザイナーの魅力【5つ】
Webデザイナーの魅力はたくさんありますが、以下に5つの魅力をご紹介します。
未経験でも始められる
Webデザイナーになるためにはセンスが必要、と考えている方がいるかもしれません。美的感覚やバランス感覚などは練習することで十分身に付きます。
独学やスクールで、デザインを綺麗に見せたり成果につながるルールを学ぶことで実務の経験が浅くてもWebデザイナーとして稼ぐことができます。
SNSの普及で高まる需要
多くの企業や個人がSNS上でプロモーションを展開しています。広告やキャンペーンにおいてユーザーの目を惹くデザイン、ユーザーの参加や共有を促すデザインは重要視されています。魅力的で効果的なデザインができるWebデザイナーの需要は近年高まりつつあり、求人が多い背景となっています。
副業や転職がしやすい
Webデザイナーの仕事はプロジェクトベースの仕事が多いため、副業で自分のスケジュールに合わせて受けることが可能です。クラウドソーシングでの案件募集も多く、仕事の獲得はそれほど難しくありません。転職の際も、実績やポートフォリオを活かしてアピールできる点も魅力です。
時間や場所を選ばない働き方が可能
Webデザイナーの仕事はオンライン上で完結することが多いため、時間と場所を選ばない柔軟な働き方が可能です。自分のライフスタイルに合わせて理想の働き方が叶います。
他業種にも活かせる万能スキルが身に付く
Webを活用したプロモーションや販売戦略を行う企業は今後も増加していくことは確実です。Webデザインの仕事を通して、ユーザーの体験を向上させるためのデザインスキルを身に付けておけば、様々な企業が欲しがる人材になれるでしょう。
Webデザイナーに向いているのはこんな人
女性や主婦
結婚や出産などのライフイベントによって企業を離れざるを得なかったり、子育てや家事で時間に制約がある女性や主婦にとって、Webデザイナーは無理なく働ける職種と言えます。また、女性ならではの視点や発想を活かす機会も大いにあるでしょう。
想像力が豊かな人
デザインの目的はいろいろありますが、ユーザーの体験を豊かにする、行動を起こさせるといった目標を立てることが多いと思います。そのため、1ユーザーになりきって気持ちを想像することが得意な人ほど、成果につながるデザインができると言えます。
フリーランスや副業を考えている人
時間や場所に縛られたくない方、組織に属することがストレスに感じる方、またはより多くの収入を得たい方はフリーランスや副業を視野に入れていると思います。Webデザイナーは、未経験でも努力次第で理想の働き方の実現や、多くの収入を得ることができる職種なので、フリーランスや副業を目指している方に人気です。
「後悔しないWebデザイナー」になるための7つの方法
方法1:「売れるデザイン」ができるようになろう
ただかっこいいだけ、綺麗なだけのデザインができるWebデザイナーは世の中に飽和しています。近年はデザインをよく知らなくても手軽にバナーなどができるツールも増えました。
周りに差をつけて選ばれるWebデザイナーになるためには「売れるデザイン」ができるようになる必要があります。ターゲット、目的、ユーザー心理を考慮しながら意図した行動を取ってもらえるデザインができる、また分析を行いさらに改善することができるWebデザイナーは、今後需要が高まると言えます。
方法2:コーディング+テクニカルSEOの知識もあれば◎
デザインの領域だけでなく、HTMLやCSSを使ったコーディングまで行えると発注から納品までワンストップで行えるので、クライアントから重宝されるでしょう。
さらに集客の効果を上げるためのテクニカルSEOの知識を有しているコーダーは需要が高いです。
方法3:実はものすごく大事! マーケティングの知識を身に付けよう
先述した「売れるデザイン」を可能にするにはマーケティングの知識があった方が良いでしょう。やみくもな推測で作成したデザインよりも、マーケティングの観点からロジカルに作られたデザインの方が説得力があります。Googleアナリティクスなどの分析結果を元に改善することで売上に直結する例もあります。
方法4:コミュニケーションスキルで差をつけよう
クライアントからのヒアリング術に長けているデザイナーは、その後の納品までの工数やクオリティにも差が出てきます。修正の出し戻しが少なければスケジュールに余裕が生まれるでしょう。
また、チームで動くプロジェクトの中ではコミュニケーションを円滑に行い信頼関係を築くことが重要です。関係が良ければ、強引な要望や変更などの対応も適切に行えます。
方法5:柔軟な働き方でストレスを軽減しよう
フリーランスや副業など、働き方を検討しやすいのもWebデザイナーの良いところです。受託型の案件で残業をすることがストレスになる方は、インハウスデザイナー(自社商品のプロモーション)の転職を視野に入れるのもありです。
方法6:自分に合った企業を選ぼう
Webデザイナーとして企業へ転職する際は、企業選びも重要なポイントです。「Webデザイナー」として募集があった場合でも、企画や進行管理、分析・改善などの過程まで職種の領域としている企業もあります。案件の中のどの部分に関わるのかを確認しましょう。また、残業時間やクライアントの傾向、請負単価なども調べておくと良いでしょう。
方法7:長く続けるための秘訣はセルフコントロール
長くWebデザイナーを続けるためには「スケジュール管理」「自己管理」「ストレス管理」が大切です。日々の中で訪れる小さな達成感を楽しみ、自己のモチベーションを高め、クライアントとは冷静かつ建設的にコミュニケーションを行うことを心がけることがポイントです。
マーケティングの知識も身に付くWebデザイン講座
「売れるデザイン」ができるようになるためには、マーケティングの知識が大いに役立ちます。ユーザーのニーズ、好み、行動パターンなどを把握し、デザインに落とし込むことで成果につながる場合があります。
Wannabe Academy(ワナビーアカデミー)のWebデザインコースでは「売れるバナー」「売れるLP」が作成できるようになることを目標とし、効果的なワイヤーフレームの作成からデザインの基礎知識を学び、実務を想定した課題で実践を積むことが可能です。
6ヶ月のサポート期間の中で、分からないことは何度でも質問可能で、現役Webデザイナーからのフィードバックも随時受けられます。未経験から最短で稼げるWebデザイナーになりたい方にはおすすめです。
まとめ
クリエイティブな仕事に携わり、ユーザーの体験を向上させる使命に達成感を感じられるWebデザイナーの仕事は最高です。過去にはきつい思いをしたこともありますが、それを上回る魅力がたくさんあり誇れる職業だと自信を持って言えます。
IT業界の成長に伴いクリエイティブ思考を取り入れている企業は年々増加しているため、Webデザインスキルを身に付けていれば、あらゆる業界で役に立つでしょう。
また、この先デザインの分野においてもAIの参入を検討する企業が増えるかもしれませんが、ユーザーの真のニーズを汲み取って改善していくことに関してはやはり「人」の手が必要なので、成果の出せるWebデザイナーは長く需要があります。
これからWebデザイナーを目指す方は、ネット上のネガティブな意見を鵜呑みにせず、まずは一歩を踏み出してほしいと思います!